レビュー対象商品:Kaweco(カヴェコ)万年筆 リリプット ステンレス LIF-SS
投稿日時:2016/12/06 16:55:00
なんせ場所をとらない、6本揃えても占有面積はクレジットカード一枚とそんなに変わらない。その佇まいに、しばらく眺めいる。「ミニペン」というカテゴリーもあるようだが、リリプットには「リリプット」というカテゴリーがふさわしい。それぞれ異種金属をメインとして、整然と並んだ6本を眺めていると、そのグラデュエーションにまず「工芸品?」という思いが、次には「いやいやこれはアートじゃないか!」と変化していく。こればっかりは実際目にしてもらう他ないが、ある意味、キズが怖いからお店ではムツかしいだろうな。そして、机の上にいつも15〜6本のpenが転がっていて、その中にリリプットが加わるとそれぞれの万年筆に対する見方が変わってくる。品格(ペン格)が良いというか、周りを照らしてその欠点も、魅力も炙り出す。以前、スティピュラのヴェドやヴェド・ヌーダを使っていて、そのペン先に驚いたことがある。何の変哲もない小さなスチールnibの書き味に感心したのだが、これが続いて使ったpenの筆感も評価してくれるのだ。それも、肯定的に。同じことが、形は違うがリリプットの存在で起こる。さて、さて、6本目のステンレスもペン先を14金にしている。相変わらずスムース(スチールのFも悪くないぞ)。inkはカランダッシュのヒプノティック・ターコイズ。多分、リリプットとの出会いがなかったら、カランダッシュ(ink)とも疎遠のままだったろう。