Pent〈ペント〉 ボトルインク コトバノイロ 嵐が丘（あらしがおか）
企画・文章：文具ライター武田健
コトバノイロは、日本文学を中心に作品を選んできましたが、今回新たに海外の小説をモチーフに２つの作品をインクにした。そのうちの一本がエミリー・ブロンテ作「嵐が丘」である。
この作品は、エミーリー・ブロンテの唯一の小説となり、英語圏では世界の三大悲劇とも呼ばれている。
ぼくがこの作品と初めて出会ったのは、大学時代。
それまで「嵐が丘」というタイトルだけは知っていたものの、読んだことがなく、大学時代のイギリス文学概論という授業で取り上げられ、あらすじと概要を教わったのが初めての出会いである。
その時この作品はぼくの心に深く残ることになり、今回コトバノイロで取り上げることにしたのだ。
「嵐が丘」という作品を一言で表すとしたら「一人の男の復讐劇」ということになる。
ここに描かれているのは、愛した女に裏切られた男が執念で一人の女を復讐していく様だ。しかし、面白いのは、その愛が強すぎるがゆえに、直接的に彼女自身に復讐するのではなく、間接的に彼女を苦しめているところだ。これは愛ゆえという見方もできるが、ぼくはその他に、本当の意味で人を苦しめたいと思ったら、その人を直接苦しめるのはなく、その人の周りにいる、その人にとって大切な人を苦しめ、その苦しむ姿を彼女に見せることこそが本当に彼女を精神的に追い詰めることになるのだと思う。
主人公のヒースクリフというキャサリンへの愛憎が作品の根底に流れている。それが、舞台となるイングランド・ヨークシャーのハワースの荒野の様子と相まって、私たちに深い印象を与えるのである。
ぼくはその後、この作品をきちんと読了していないのだが、それでも、はっきりとこの作品の雰囲気や登場人物たちの描写を覚えているのは、それだけ強烈な印象を与えたということなのだろう。
コトバノイロでこの作品を取りあげることが決まった時に、ぼくがまっさきに思いついたのがハワースの荒涼とした湿地帯をイメージした少し茶色がかった緑色である。深みがあり、ヒースクリフの寂しさや孤独感などもこの色から感じ取ってもらえたら嬉しい。
「嵐が丘」は発表された当時にはその作品の登場人物の多さや複雑に入り組んだ構成から、酷評されたのだが、作者であるエミリー・ブロンテの死後、評判が高まり、今でも読み継がれている作品となったという。
この冬、久々にぼくはこの作品をもう一度最初からきちんと読み直してみたいと思っている。
この作品は、エミーリー・ブロンテの唯一の小説となり、英語圏では世界の三大悲劇とも呼ばれている。
ぼくがこの作品と初めて出会ったのは、大学時代。
それまで「嵐が丘」というタイトルだけは知っていたものの、読んだことがなく、大学時代のイギリス文学概論という授業で取り上げられ、あらすじと概要を教わったのが初めての出会いである。
その時この作品はぼくの心に深く残ることになり、今回コトバノイロで取り上げることにしたのだ。
「嵐が丘」という作品を一言で表すとしたら「一人の男の復讐劇」ということになる。
ここに描かれているのは、愛した女に裏切られた男が執念で一人の女を復讐していく様だ。しかし、面白いのは、その愛が強すぎるがゆえに、直接的に彼女自身に復讐するのではなく、間接的に彼女を苦しめているところだ。これは愛ゆえという見方もできるが、ぼくはその他に、本当の意味で人を苦しめたいと思ったら、その人を直接苦しめるのはなく、その人の周りにいる、その人にとって大切な人を苦しめ、その苦しむ姿を彼女に見せることこそが本当に彼女を精神的に追い詰めることになるのだと思う。
主人公のヒースクリフというキャサリンへの愛憎が作品の根底に流れている。それが、舞台となるイングランド・ヨークシャーのハワースの荒野の様子と相まって、私たちに深い印象を与えるのである。
ぼくはその後、この作品をきちんと読了していないのだが、それでも、はっきりとこの作品の雰囲気や登場人物たちの描写を覚えているのは、それだけ強烈な印象を与えたということなのだろう。
コトバノイロでこの作品を取りあげることが決まった時に、ぼくがまっさきに思いついたのがハワースの荒涼とした湿地帯をイメージした少し茶色がかった緑色である。深みがあり、ヒースクリフの寂しさや孤独感などもこの色から感じ取ってもらえたら嬉しい。
「嵐が丘」は発表された当時にはその作品の登場人物の多さや複雑に入り組んだ構成から、酷評されたのだが、作者であるエミリー・ブロンテの死後、評判が高まり、今でも読み継がれている作品となったという。
この冬、久々にぼくはこの作品をもう一度最初からきちんと読み直してみたいと思っている。
この商品には以下のバリエーション（色・種類）があります。
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