Pent〈ペント〉 ボトルインク コトバノイロ 蒼穹 (そうきゅう)






企画・文章:文具ライター武田健
「蒼穹」は、以前コトバノイロでも取り上げた「檸檬」の著者である梶井基次郎の短編小説である。
主人公がとある渓で空を見上げながら、様々なことを想うという内容だ。
この作品を初めて読んだのは、確か高校時代だったと思うのだが、作品全体に漂う茫漠とした不安感や恐怖感に共感を覚えた。
今でも時々、何かの拍子に不思議な感覚にとらわれることがある。 それを的確に言葉にするのは非常に難しいのだが、簡単な言葉で説明すると、「自分は本当は今ここにはいなくて、本当の自分はどこか別のところにいるのではないか?」という錯覚だ。 例えば、街を歩いている時に、ふと「今歩いているのは本当の自分ではなく、別の自分で、本当の自分は別の場所にいて、この感覚を共有しているだけなのではないか」というような感覚に襲われることがある。 その感覚はぼくが小さなころから漠然と抱いていたものだ。 そのことを親や周りの大人に話をしても、まったく理解されずたいていは「変なことを言う子だね」と一笑に付されるか、「感受性が豊かなんだね」と的外れなことを言われるかのどちらかだった。 この「蒼穹」を読んだ時に、ふと、ぼくは同志を得たような気持ちになった。
この作品の中で、主人公は空に湧き出てくる雲を見ながら、「不思議な恐怖に似た感情」に襲われるのであるが、その感情が、自分の「本当の自分はここにはいない別のどこかにいるのではないか?」という不安とかぶったのである。 ひょっとしたらその不安の中身は実際には違うものかもしれないのだが、ぼくは勝手にそのふたつを結び付けたのである。 この不思議な感覚というのは、大人になったら少しは軽くなるのではないか?と子どもの頃は漠然と思っていた。 しかし、確かに大人になると、「本当の自分はここにはいなくて、他のところにいるのではないか?」と錯覚するというような感覚に襲われる頻度はめっきり減った。 しかし、そのかわり、その感覚が深くなった気がする。
「他のところ」というのが、もっと遠いところのような感覚とでも言おうか。 「蒼穹」を改めて読み返してみて、やはりこの作品全体に漂う不安というのは、ぼくが抱いていた感覚と似ているようなものなのではないかという気がした。 そして、その不安を含んだ色を再現するとしたらどんな色だろうと思い立ったのがこの青色である。蒼穹とは、青い空という意味なのだが、梶井基次郎の作品に出てくる蒼穹は、スコーンと抜けるような青空というよりも、その明るさの中に不安が潜んでいるような青空だと思った。 だから、そんな不安も感じられるような青色に仕上げてもらった。 例えば、漠然とした不安を抱えた時の対処法としてノートに不安を書き出すという方法があるが、そんな時にこのインクを使ってみると、少しは不安も軽減されるのではないかという期待も込めて。
今でも時々、何かの拍子に不思議な感覚にとらわれることがある。 それを的確に言葉にするのは非常に難しいのだが、簡単な言葉で説明すると、「自分は本当は今ここにはいなくて、本当の自分はどこか別のところにいるのではないか?」という錯覚だ。 例えば、街を歩いている時に、ふと「今歩いているのは本当の自分ではなく、別の自分で、本当の自分は別の場所にいて、この感覚を共有しているだけなのではないか」というような感覚に襲われることがある。 その感覚はぼくが小さなころから漠然と抱いていたものだ。 そのことを親や周りの大人に話をしても、まったく理解されずたいていは「変なことを言う子だね」と一笑に付されるか、「感受性が豊かなんだね」と的外れなことを言われるかのどちらかだった。 この「蒼穹」を読んだ時に、ふと、ぼくは同志を得たような気持ちになった。
この作品の中で、主人公は空に湧き出てくる雲を見ながら、「不思議な恐怖に似た感情」に襲われるのであるが、その感情が、自分の「本当の自分はここにはいない別のどこかにいるのではないか?」という不安とかぶったのである。 ひょっとしたらその不安の中身は実際には違うものかもしれないのだが、ぼくは勝手にそのふたつを結び付けたのである。 この不思議な感覚というのは、大人になったら少しは軽くなるのではないか?と子どもの頃は漠然と思っていた。 しかし、確かに大人になると、「本当の自分はここにはいなくて、他のところにいるのではないか?」と錯覚するというような感覚に襲われる頻度はめっきり減った。 しかし、そのかわり、その感覚が深くなった気がする。
「他のところ」というのが、もっと遠いところのような感覚とでも言おうか。 「蒼穹」を改めて読み返してみて、やはりこの作品全体に漂う不安というのは、ぼくが抱いていた感覚と似ているようなものなのではないかという気がした。 そして、その不安を含んだ色を再現するとしたらどんな色だろうと思い立ったのがこの青色である。蒼穹とは、青い空という意味なのだが、梶井基次郎の作品に出てくる蒼穹は、スコーンと抜けるような青空というよりも、その明るさの中に不安が潜んでいるような青空だと思った。 だから、そんな不安も感じられるような青色に仕上げてもらった。 例えば、漠然とした不安を抱えた時の対処法としてノートに不安を書き出すという方法があるが、そんな時にこのインクを使ってみると、少しは不安も軽減されるのではないかという期待も込めて。




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この商品には以下のバリエーション(色・種類)があります。
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販売価格(税込):2,970円
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