Pent〈ペント〉ボトルインク コトバノイロ 人間失格(にんげんしっかく)







企画・文章:文具ライター武田健
太宰治の良さが理解できるようになったのは、大人になってからであるということは、以前のコトバノイロ「斜陽」のコラムでも書いた通りである。
若いころから三島由紀夫が好きだったぼくにとっては、後ろ向き全力疾走の太宰治という作家その人自身が苦手だったし、若いうちから太宰治を読むような人間そのものが「人間失格」だというなんとも身勝手なことを考えていた(太宰ファンの皆様、本当にごめんなさい!)。
だから、この「人間失格」に関しても、他の太宰作品同様、読めるようになったのは大人になってからである。もう、この時点で自分が人間失格だと思われているんじゃないかと、内心ひやひやしながらこのコラムを書いているのだが…。(何度でも言います。太宰ファンの皆様、ごめんなさい!)
「人間失格」も中島敦の「山月記」同様に、主人公が廃人のようになってしまう様を描いているのだが、基本的に自分とはまったく異なる性格のキャラクターなために、根本的に受け入れることが非常に難しい作品群なのである。この手の作品は。若いころはそれだけで、毛嫌いしていたわけだが、さすがに50年も生きていると、少しはそういう部分でのこだわりも少しはやわらぎ、受け入れられるようになるのではないか、という期待感もあった。
確かに、大人になってから読んだとしても、どうしても共感や同情することはとても難しい部分もある。ただ、若いころはまったく理解できなかった主人公の気持ちを想像したり、「こういう人、いるよね。自分は違うけど、まぁ、こういう人がいることは理解できるよね」という微妙な許容はできるようにはなっている。
「人間失格」という作品はぼくにとっては、つまりそういう作品なのである。
さて、この作品をコトバノイロで取り上げることになった時に、まっさきにぼくが思ったのは、心の闇のような黒色である。それも漆黒という感じではなく、憂いを帯びた青みがかった灰色を深めたような色だ。人の心を色で表現するのは難しいし、気持ちというのはころころと変わっていくものではあるけれども、根底に流れているその人のテーマカラーというのは比較的落ち着いているだろう。
この「人間失格」に登場する「自分」の心を支配している色は、どこまでも深いグレーだ。漆黒のような、すべての色を吸収してしまうほどの力は持っていないけれども、常に靄がかかっているかのような少し青みを含んだ黒こそがこの主人公の心の色なのではないかと思い、「人間失格」にはこの色を選んだ。
若いころから三島由紀夫が好きだったぼくにとっては、後ろ向き全力疾走の太宰治という作家その人自身が苦手だったし、若いうちから太宰治を読むような人間そのものが「人間失格」だというなんとも身勝手なことを考えていた(太宰ファンの皆様、本当にごめんなさい!)。
だから、この「人間失格」に関しても、他の太宰作品同様、読めるようになったのは大人になってからである。もう、この時点で自分が人間失格だと思われているんじゃないかと、内心ひやひやしながらこのコラムを書いているのだが…。(何度でも言います。太宰ファンの皆様、ごめんなさい!)
「人間失格」も中島敦の「山月記」同様に、主人公が廃人のようになってしまう様を描いているのだが、基本的に自分とはまったく異なる性格のキャラクターなために、根本的に受け入れることが非常に難しい作品群なのである。この手の作品は。若いころはそれだけで、毛嫌いしていたわけだが、さすがに50年も生きていると、少しはそういう部分でのこだわりも少しはやわらぎ、受け入れられるようになるのではないか、という期待感もあった。
確かに、大人になってから読んだとしても、どうしても共感や同情することはとても難しい部分もある。ただ、若いころはまったく理解できなかった主人公の気持ちを想像したり、「こういう人、いるよね。自分は違うけど、まぁ、こういう人がいることは理解できるよね」という微妙な許容はできるようにはなっている。
「人間失格」という作品はぼくにとっては、つまりそういう作品なのである。
さて、この作品をコトバノイロで取り上げることになった時に、まっさきにぼくが思ったのは、心の闇のような黒色である。それも漆黒という感じではなく、憂いを帯びた青みがかった灰色を深めたような色だ。人の心を色で表現するのは難しいし、気持ちというのはころころと変わっていくものではあるけれども、根底に流れているその人のテーマカラーというのは比較的落ち着いているだろう。
この「人間失格」に登場する「自分」の心を支配している色は、どこまでも深いグレーだ。漆黒のような、すべての色を吸収してしまうほどの力は持っていないけれども、常に靄がかかっているかのような少し青みを含んだ黒こそがこの主人公の心の色なのではないかと思い、「人間失格」にはこの色を選んだ。





この商品には以下のバリエーション(色・種類)があります。
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