Pent〈ペント〉 ボトルインク コトバノイロ 羅生門(らしょうもん)







企画・文章:文具ライター武田健
芥川龍之介をコトバノイロで取り上げるのは二作目になる。前回は「蜘蛛の糸」を取り上げたが、今回は「羅生門」をモチーフに色を考えてみた。
芥川龍之介の作品はどれもまるでショートショートのようで手軽に読める。そのせいか教科書などでもしばしば取り上げられるのだが、実は内容的には非常に難しいと思っている。
ただ、さらっと読み流せるようなものではない。この作品にしても、ネットなどで簡単に全文を読むことができるので、ぜひ多くの方に目を通していただきたいのだが、一体どういうことなのか?と考えてしまう。
気弱な男が、老婆の言葉によって勇気が生まれ、その老婆を組み伏してその老婆から着物をはぎ、街へと消えていく。そういう話で、つまりこれはちょっとしたことがきっかけとなり、行動力が生まれたということがテーマなのか…。
主人公の下人は、死体の髪を抜く老婆を見て恐怖心を覚えると同時に、正義感に燃えるが、その老婆が「生きるためには仕方ない」と言い訳をすると、それを自分にあてはめ、今度は自分がその老婆に対して同じことをする。この流れを考えてみると、人間というのは誰もが立場が変わることで悪に手を染めることになりかねないということを芥川は言いたかったのだろうか。
というようなことも久々に読んで感じたことだった。
芥川龍之介の短編というのは短いからこそ、このような様々な想いを読者に投げかけてくれて、それが楽しい。
そんな「羅生門」をコトバノイロで取り上げようという話になった時に僕の頭の中で真っ先に思い浮かんだのは茶色。
羅生門のモデルとなったのは、朱雀大路にある平安京の正門の羅城門で、復元図などを見ると、朱色なのだが、おそらくそれは建築当時の色で、この作品の中で描かれている門はそんな鮮やかな色ではなかったのではないかと思った。飢饉や天変地異などによって都は荒れ果て、楼閣の上には遺体が転がっているほどだ。そんな腐敗しきった場所に立っている門のイメージはやはり影のある茶色なのではないかとぼくは思ったのだ。
単に木造の門というだけでなく、そこにくすんだ空気や退廃的な雰囲気を漂わせた色にしたいと思って色を考えてみた。
インクには香りをつけることはできないのだが、この色を見たときに、作品の中で漂っているであろう、独特の香りだとか少し濁ったような空気の感じだとか、さらには人々の奥底に渦巻いているドロドロした感情だとかいうものを感じて欲しい。インクというのは、そういう綺麗なだけではない、本来であれば覆い隠してしまいたいようなものも表現してくれるのではないかと思っている。
芥川龍之介の作品はどれもまるでショートショートのようで手軽に読める。そのせいか教科書などでもしばしば取り上げられるのだが、実は内容的には非常に難しいと思っている。
ただ、さらっと読み流せるようなものではない。この作品にしても、ネットなどで簡単に全文を読むことができるので、ぜひ多くの方に目を通していただきたいのだが、一体どういうことなのか?と考えてしまう。
気弱な男が、老婆の言葉によって勇気が生まれ、その老婆を組み伏してその老婆から着物をはぎ、街へと消えていく。そういう話で、つまりこれはちょっとしたことがきっかけとなり、行動力が生まれたということがテーマなのか…。
主人公の下人は、死体の髪を抜く老婆を見て恐怖心を覚えると同時に、正義感に燃えるが、その老婆が「生きるためには仕方ない」と言い訳をすると、それを自分にあてはめ、今度は自分がその老婆に対して同じことをする。この流れを考えてみると、人間というのは誰もが立場が変わることで悪に手を染めることになりかねないということを芥川は言いたかったのだろうか。
というようなことも久々に読んで感じたことだった。
芥川龍之介の短編というのは短いからこそ、このような様々な想いを読者に投げかけてくれて、それが楽しい。
そんな「羅生門」をコトバノイロで取り上げようという話になった時に僕の頭の中で真っ先に思い浮かんだのは茶色。
羅生門のモデルとなったのは、朱雀大路にある平安京の正門の羅城門で、復元図などを見ると、朱色なのだが、おそらくそれは建築当時の色で、この作品の中で描かれている門はそんな鮮やかな色ではなかったのではないかと思った。飢饉や天変地異などによって都は荒れ果て、楼閣の上には遺体が転がっているほどだ。そんな腐敗しきった場所に立っている門のイメージはやはり影のある茶色なのではないかとぼくは思ったのだ。
単に木造の門というだけでなく、そこにくすんだ空気や退廃的な雰囲気を漂わせた色にしたいと思って色を考えてみた。
インクには香りをつけることはできないのだが、この色を見たときに、作品の中で漂っているであろう、独特の香りだとか少し濁ったような空気の感じだとか、さらには人々の奥底に渦巻いているドロドロした感情だとかいうものを感じて欲しい。インクというのは、そういう綺麗なだけではない、本来であれば覆い隠してしまいたいようなものも表現してくれるのではないかと思っている。




この商品には以下のバリエーション(色・種類)があります。
消耗品・関連商品



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販売価格(税込):495円
加算ポイント:49ポイント




商品名:Pent〈ペント〉 by 藍濃道具屋(レンノンツールバー)ボトルインク 限定色 源氏物語
希望小売価格(税込):2,970円
販売価格(税込):2,970円
加算ポイント:297ポイント
ペンハウスデザイン(日本)
藍濃道具屋デザイン(台湾)












商品名:Pent〈ペント〉 インク吸入器アダプター ハミングバード
希望小売価格(税込):2,970円
販売価格(税込):2,970円
加算ポイント:297ポイント
A(ペリカン/モンブラン/他)
B(パイロットCON-70/CON-70N/ラミー)
C(プラチナ/Sheaffer)

